司会者「さあ、今日も始まりました！」

司会者「本日もさまざまなコメンテーターの方々に来て頂いております」

インテリ「どうも」

お笑い芸人「こんにちはー！」

女優「よろしくお願いします」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…

司会者「ベジータさんは……今日が初めてですよね？」

ベジータ「ああ、そうだ」

司会者「今のお気持ちはどうですか？」

ベジータ「最悪だ。すぐにでも帰りたい気分だぜ」

司会者「そ、そうですか。本日はよろしくお願いします」

司会者「さて、最初の話題は大物芸能人の不倫騒動です」

司会者「こじれにこじれてしまい……いったいどう決着を迎えるのか」

インテリ「双方弁護士を立てていますが、穏便に解決して欲しいものです」

お笑い芸人「やはり不倫はよくないですねえ」

女優「男として最低ですよ！」

司会者「ベジータさんはいかがでしょう？」

ベジータ「貴様、この俺が不倫などすると思ってるのかぁ！」

司会者「い、いえ！　失礼しました！」

司会者「そういえばベジータさんはカプセルコーポレーションのご令嬢、ブルマさんの旦那さんですよね」

ベジータ「そうだ」

お笑い芸人「へぇ～、そりゃすごい！　羨ましい！」

ベジータ「ふん……」ﾆﾔｯ

司会者「ブルマさんとの出会いはどういうものだったんでしょう？」

ベジータ「ブルマとの出会いか……あれはたしか……」

ベジータ「思い出した。あいつとはナメック星で出会った」

司会者「は？　ナメック星？」

ベジータ「俺がザーボンの野郎をブッ殺した時、あいつはクリリンと一緒にいて……」

司会者「え？　ザーボン？　ブッ殺した？」

ベジータ「その後俺はフリーザに殺されたが、生き返って地球に……」

司会者「え？　え？」

カンペ『話を打ち切って！』

司会者「はい、どうも！　ありがとうございましたー！」

ベジータ「そうか。ここからが面白いんだがな」

司会者「続いて、通り魔の話題です」

司会者「セロリシティで通り魔が男女五人を切りつける事件が起き、容疑者はまもなく取り押さえられました」

司会者「いかがですか、皆さん」

インテリ「被害者が全員軽傷で済んだというのが不幸中の幸いです。動機など詳しく追及してもらいたいですね」

お笑い芸人「いやー、怖いですわ」

女優「急に襲いかかられたら、どうしようもないですよね」

ベジータ「ふん、どいつもこいつも平和ボケしてやがる」

司会者「ベ、ベジータさん……？」

ベジータ「わざわざ向こうから襲いかかって来るんだ。そんな奴はブッ殺してやればいい」

司会者「は、はぁ……。そういえばベジータさんは武道の心得がおありとか」

ベジータ「まぁな」

司会者「では通り魔に襲われたらどうすべきか、ちょっと教えて頂けないでしょうか？」

ベジータ「いいだろう」

お笑い芸人「わっ、覚えて帰ろう！」

女優「楽しみ～！」

ベジータ「敵が襲いかかってきたら……」

ベジータ「こうだ」ﾎﾞｯ

ドォンッ！！！

司会者「！？」

ベジータ「地球人程度ならこれでコナゴナになるだろうぜ」ﾆﾔｯ

司会者「そ、そうですよね！　ベジータさん、どうもありがとうございましたー！」

司会者「今西の都でブームになっている、新感覚スイーツの話題です」

司会者「これはチョコレートとクリームを混ぜて食べるというスイーツなんですけど……」

司会者「皆さんの分もご用意しましたので、ぜひご賞味ください」

インテリ「これとこれを混ぜ合わせるんですね？」

司会者「そうです」

お笑い芸人「へぇ～、面白い」ﾏｾﾞﾏｾﾞ

女優「図工みたいで楽しい～！」ﾏｾﾞﾏｾﾞ

司会者「20秒ほどかき混ぜたら、食べてみて下さい」

ベジータ「……」

司会者「？　ベジータさん？」

ベジータ「はじけて混ざれ！！！」ﾏｾﾞﾏｾﾞ

司会者「！？」

ベジータ「……」ﾏｾﾞﾏｾﾞ

司会者「え……？　え……？」

ベジータ「そろそろいいか」ﾊﾟｸｯ

司会者「お味はいかがでしょう？」

ベジータ「ほう……うまいな」

司会者「お口に合ったようでよかったです」

ベジータ「もうないのか」

司会者「はい、それだけで……」

ベジータ「これでは足りん。おい貴様、よこせ」ｻｯ

お笑い芸人「あっ！」

ベジータ「うん、いける」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

司会者「他人から奪い取りたくなるほどの味、ということですねー！」

ベジータ「あとでカプセルコーポレーションに取り寄せてもらうか」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

司会者「南の都で開かれた花火大会の映像が届いております」

ﾋｭﾙﾙﾙ…　ﾊﾟｧﾝ!　ﾊﾟｧﾝ!

インテリ「風情があっていいですね」

女優「とても素敵な花火ですね！」

お笑い芸人「俺も花火のようにウケたいですけど……いつも不発ですわ」

ｱﾊﾊﾊﾊ…

司会者「ベジータさんはいかがでしょう？」

ベジータ「……」

ベジータ「へっ、きたねえ花火だ！」





司会者「はい、ありがとうございましたー！」

司会者「ここで速報が入りました」

司会者「西の都で……立てこもり事件が起きている模様です」

インテリ「えっ……」

お笑い芸人「怖いですね」

女優「まあ……」

司会者「犯人は女性を一人人質にしており、警察が現在説得を……」

ベジータ「下らん」

司会者「え」

ベジータ「説得などまどろっこしい。場所はどこだ？」

司会者「えぇと……ここから北西に……」

ベジータ「下らん事件だが、ここでコメンテーターなどしてるよりマシだ」

ベジータ「ちょっと行ってくる」

ギャウッ！

司会者「ベジータさん……どこかへ飛んでいっちゃいました」

女優「素敵……」ﾎﾟｯ

司会者「え！？」

警察官「君は包囲されている！　諦めて出てきなさーい！」

犯人「嫌だっ！　この人を殺してボクも死ぬんだぁ！」

女「助けてっ……！」

ﾋﾟｼｭﾝｯ

犯人「え？」

ベジータ「貴様が犯人か。ブッ殺してやりたいが、とりあえず警察にくれてやる」ﾍﾟｼｯ

犯人「ぎゃん！」

ベジータ「貴様は連れていく」ｶﾞｼｯ

女「ええっ！？」

司会者「あ、ベジータさんが戻ってきました！　一体どうしたんですか！？」

ベジータ「犯人をブッ倒して、人質になってた女を連れてきた」

司会者「ええっ！？」

ベジータ「さあ、インタビューでもなんでも好きにしやがれ」

司会者「は、はい……今のお気持ちは？」

女「助かって……よかったです……」

司会者「色々ありましたが、番組は無事終わりそうで、私ホッとしています」

司会者「最後に天気予報です！　予報士さん、どうぞー！」

予報士「えー、今夜は快晴です！」

予報士「もし月があれば綺麗なお月さまを見られるんですが……」

司会者「月はなくなってしまいましたからねえ」

ベジータ「だったら月を作ってやろうか」

司会者「はい？」

ベジータ「月の光が太陽光が月に跳ね返ったものだということは知っていよう……」

ベジータ「だが、月に照り返された時のみ、その太陽光にはブルーツ波が含まれる」

ベジータ「そのブルーツ波が満月になると1700万ゼノという数値を超えるのだ」

ベジータ「宇宙中の惑星に月は数多くあるがその大きさに関わらず」

ベジータ「なぜか必ず満月にならないと1700万ゼノを超えるブルーツ波は出ないのだ……しかし」

ベジータ「限られたサイヤ人にだけ人工的に1700万ゼノを超える小さな満月を造り出すことができるのだ！」

ベジータ「星の酸素とこのパワーボールを混ぜ合わせることでな！」ﾎﾞｯ

司会者「本日のワイドショーはここまでです！　ありがとうございましたー！」

ブルマ「もうベジータったら！」

ベジータ「なんだ」

ブルマ「放送見てたけどメチャメチャだったじゃないのよ！　あんなコメンテーターありえないわよ！」

ベジータ「これでもう二度と呼ばれることもあるまい」

ブルマ「やっぱりわざとだったのね！　あんたったら――」

トランクス「ねえねえ、テレビ局のプロデューサーって人が来てるよ」

ブルマ「ほら、クレームよ！　きっと苦情が殺到したんだわ！」

プロデューサー「いやー、ベジータさん！　素晴らしかったですよ！」

プロデューサー「番組にベジータさんをまた出してくれというメッセージが殺到しまして……」

プロデューサー「ぜひ！　番組レギュラーになって下さい！」

ブルマ「よかったわね～、ベジータ」ﾆﾔﾆﾔ

トランクス「パパすげー！」

ベジータ「くそったれーっ！！！」







おわり