ゴブリン「どうなってんだよ」

村娘「へ？」

ゴブリン「いや、俺家でメシ食ってたらいきなりここにワープしちゃったんだよ」

村娘「あ、そうだったの……」

ゴブリン「迷惑だったなら帰るわ」

村娘「あ、ちょっと待って！　せっかくここに来たんだし>>19」

村娘「うちに来ない？」

ゴブリン「いや、ここお前んちだろ？」

村娘「ここは物置みたいなものよ。本宅はこっち」

ゴブリン「うわー、でっけえ！　お前金持ちだったのかよ！」

村娘「そうわよ」

村娘「ご飯食べてたんでしょ？　なんだったら>>33でも食べていかない？」

村娘「妹でも食べていかない？」

ゴブリン「え、芋？」

村娘「ううん、妹」

ゴブリン「……！」

村娘「ほら、妹のスープ」

ゴブリン（なんか骨浮いてるんですけど……！）

村娘「さあ、どうぞ」

ゴブリン「いただきます」ﾁﾋﾞｯ

村娘「どぉう？」

ゴブリン「>>55」

ゴブリン「お前も食いたい」

村娘「そういうと思ってたわ」

ﾄﾞｯﾎﾞｰﾝ!

ゴブリン（煮えたぎった鍋の中に飛び込みやがった！）

ｸﾞﾂｸﾞﾂ…

ｸﾞﾂｸﾞﾂ…

ｸﾞﾂｸﾞﾂ…

ゴブリン（出てこない……）

ゴブリン（さて、どうしよう？>>66）

ゴブリン「帰ろ」



ゴブリンは鍋に背を向けると、そのまままっすぐ帰った。

彼は本能的に感じ取っていたのだ。
まだ村娘は生きている、と。

やがて、自分の集落に戻ったゴブリンは自分の身に起こったことを仲間にも一切話さなかった。

そして、時折ふとあの一連の出来事を思い出しては、
あの時もし自分が村娘のスープを飲んでいたらどうなってただろう……と想像して身震いするのであった。





完